初めてウサギを飼う方へ

ウサギは可愛いです!が、可愛いだけではありません。

私たちは、「思っていたのと違う」「問題行動ばかりで困る」「あっという間に増えてしまって手に負えない」などと言って飼い主が捨ててしまったウサギさん達を保護しています。

ウサギさんとの生活を考えるにあたり、ウサギさんの別の一面も頭にいれて頂いて、しっかりと考えてから飼うかどうかを決めて下さい。そして、一度飼うと決めたら最後まで責任をもって一緒に暮らして下さいね。

お迎えする方法については別の記事をご覧下さい。

目次

ウサギさんはあまり懐いてくれません

犬やネコと違ってウサギは自分から寄ってきたり甘えてきたりすることは基本ありません。表情も豊かではないし、声帯がないので鳴いたりもしません。

なので、犬やネコと同じようなコミュニケーションは取れないと思ってください。でも、一緒に暮らしていると「いま喜んでるな」「ちょっと機嫌がわるいかも」などウサギの気持ちが分かるようになります(気のせいかも知れないけど)

中には一緒の布団で寝てくれたり、すり寄ってくるウサギさんも居るみたいですが、本当にレアだと思ってください。まったく撫でさせてくれない、逃げまわって触らせてもくれないというウサギさんもいます。それも個性です。そのウサギさんの良いところを沢山見つけて可愛がってあげてください。

意外と長生きだけど、デリケートです

ウサギの寿命は品種によっても異なりますが7〜12年ほど。体は小さいですが、皆さんが思っている以上に長生きです。

でも、体が丈夫な訳ではありません。暑さ寒さにも弱くて、適正温度は20〜28度と言われています。特に暑さには弱くて30度を超えると熱中症で死んでしまうことが多いです。ウサギは調子が悪くてもなかなか弱った姿をみせませんし、鳴き声もださないため、「あれ?なんか調子が悪そうだな」とおもったらもう手遅れだったなんて事も。1日でも長く一緒に過ごせるようにいつもウサギさんの体調には気をつけてあげてください。

それぞれ個性があって性格が違います

おっとりとした子もいれば、縄張り意識が強くてすぐに攻撃してくる子もいます。好奇心旺盛でどこまでも遊びに行ってしまう子や、おどおどしていて部屋から出てこない子も。

見た目が似ていても性格が全然違うことが多いです。

ウサギさんは表情があまりなくて、声もださないので最初はあまり個性がないようにも見えます。しかし、日々お世話をしているとそれぞれに個性があって性格が違うことがわかります。

可愛いだけではありません

うさぎさんは可愛いだけのお人形ではありません。困ったことも沢山やらかします。

  • おしっこを色々なところにひっかける
  • コードやケーブルなど、紐という紐をすべて噛みちぎる
  • 所構わずうんちを落とす
  • 引っ掻いたり噛みついたりする
  • 木製の家具を歯で削りまくる
  • 抜け毛で部屋中が毛だらけ

動物ですから、お行儀良くはありません。しつけもほとんど出来ないので、問題行動は治りません(年齢と共に落ち着くことは結構あります)

繁殖力が強いので、一度増えてしまうと大変です

ウサギはとても繁殖力が強く、たった1年で2羽から200羽まで増えてしまったケースがありますし、オーストラリアでは余りの繁殖力の強さに10億匹を超えるまでに増えてしまい有害動物として駆除対象になっていたりします。

飼育する上でやっかいなのは、ウサギは幼い時期では見た目で性別がほとんど分からないこと。しかも、性別が分かる前から繁殖可能な状態になるため、子供だと思っておなじケージで飼っているといつの間にか出産してしまう事が結構あります。またその子供達が、性別が分かる前に繁殖してしまい、またその子供達が・・・・というループであっという間に手に負えない数にまで増えてしまいます。

ウサギさん同士で仲良くしているのは見ていてとっても可愛いのですが、性別が分かるまではケージを分けてあげてくださいね

ウサギさんを飼うのに必要なもの

  • ケージ
  • 給水ボトル
  • 餌入れ
  • 食べ物(チモシー・ペレット)

最低限これだけあればうさぎさんを飼うことができます。うさぎさんは犬猫のように室内放し飼いはできません。トイレもあまり覚えないです。(動くとうんちが出ちゃう生き物です)基本的にはケージ内で生活させて、たまには部屋の中で思いっきり走らせてあげてください。

また、ワンちゃんのように外での散歩は不要です。外敵がいる可能性のある屋外に連れ出すのは、うさぎさんにとって大きなストレスになります。うさぎさんは穴の中で生活してきた生き物なので、ある程度狭い場所が落ち着くのです。(部屋の中で遊ばせていても、家具の隙間などに好んで入っていきます。)

ウサギさんの食べるもの

  • ラビットフード(ペレット) 体重の1.5%程度
  • 干し草(チモシー) ペレットの同量以上

基本的には干し草とペレットだけで大丈夫です。それがうさぎさんの健康にとって一番良いです。

うさぎさんの体重が1.5kgだとするとペレットは22.5g、干し草はそれ以上という事になります。一般的には干し草は食べ放題にさせてだいたい1日100gくらいを与える感じです。(干し草はうさぎさんが食べているうちにケージの外や足下のすのこの下に落ちてしまいますので、与えた分の全てを食べられる訳ではありません)

生野菜や果物なども喜んで食べますが、うさぎさんの体にはあまり良くない事が多いです。また、食べさせてはいけない野菜もあります。

うさぎと人間は違う生き物です

人間とうさぎが違う生き物であることを理解しないと、良かれと思ってやっていることが逆効果になってしまうことが多くあります。

人間の感覚だと、「色々な物を食べた方が良い」「手作りのフードが一番」「生野菜の方が健康に良い」と考えがちですが、人間とウサギは違う生き物です。安易に人間と同じ考えで食べ物にこだわってしまうと、逆にうさぎさんの健康を害してしまいます。こだわって選んだ食べ物や手作りのフードをモリモリ食べてくれるのは見ていてとても嬉しいことですが、うさぎさんの健康を考えるなら、干し草とラビットフード以外はあまり与えないようにしましょう。

また、昔は「うさぎは水を飲まない」という方もいましたが、これも間違いです。ウサギは汗をかかないので、水は必要ないという思い込みが広まってしまいました。実はウサギは水を結構たくさん飲みます。体温調節の一環として、沢山飲んで沢山おしっこで出します。給水ボトルの水は切らさないようにしましょう。

また、飲み水は水道水で大丈夫です。水道水程度の塩素分はうさぎの健康には影響がありませんし、雑菌の繁殖を抑えてくれます。ミネラルウォーターは雑菌が繁殖しやすいためうさぎさんにとってはよくありませんし、硬水のミネラルウォーターはミネラル分が多すぎてうさぎさんの体に良くありません。

ペット用のサプリメントや補助食品が沢山販売されていますが、あまり意味が無いものがほとんどです。逆にうさぎさんの健康を害してしまうこともあります。可愛いうさぎさんに沢山手間暇を掛けたくなってしまうのですが、何事もやり過ぎはよくありません。

うさぎさんは人間と違って体内でビタミンCを作ることが出来るため、食べ物から補給する必要がありません。小動物用のビタミンCも売られていますが、うさぎさんの飼育には不要です。

飼育の情報は書籍から

インターネットだけでも沢山の情報が手に入りますが、多くは専門家以外の方が書かれたブログが中心になります。ブログなど個人の発信している情報は、飼い主が「こうだった良いな」という願望が強く含まれてしまい、不正確になっていることが多いです。

正しい飼育情報を得る為に、うさぎの飼育に関する書籍を購入してみてください。うさぎの飼育に関する本は沢山出版されています。参考までに、値段が手頃で評価の良い書籍をピックアップしました。

最後に

うさぎさんとの生活はとても楽しく、幸せな瞬間が沢山あります。うさぎという新しい家族のために、是非正しい飼育方法を知っていただき、幸せな生活を楽しんでください。

うさぎとひとの幸せを支える会では、飼育に関するご相談を受け付けております。是非お気軽にお問合せください。

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