ふじみ野うさぎハウスの譲渡方針について ~より多くの命を、より確実につなぐために~ 2026年度更新版

私たちはこれまで一貫して、「より多くのうさぎの命を、現実的に、継続して救うこと」を最優先に活動してきました。

近年、「犬猫と同じ基準で審査してから譲渡するのが保護団体の義務である」といったご批判をいただく機会が増えています。命のことを真剣に考えてくださるからこそのご意見であることは理解しています。

そのうえで、私たちの立場と考えを、あらためて明確に示します。

目次

私たちの基本姿勢

私たちはこれまで一貫して、「より多くのうさぎの命を、現実的に、継続して救うこと」を最優先に活動してきました。

近年、「犬猫と同じ基準で審査してから譲渡するのが保護団体の義務ではないか」といったご意見をいただくことが増えています。命のことを真剣に考えてくださるからこその声であることは、私たちも理解しています。

そのうえで、私たちがなぜ現在の方針を選んでいるのか、その考えをあらためてお伝えします。


私たちがこの方針を選んでいる理由

私たちの考えは、とてもシンプルです。

うさぎさんの保護活動を長く続けていくためには、「ペットショップではなく、保護うさぎを選んでもらうこと」が欠かせないと考えています。

もし、保護うさぎを選ぶことが「特別で難しい選択」になってしまえば、保護うさぎは選ばれなくなります。

その結果、保護うさぎの行き場は減り、家庭や学校などで飼育が難しくなってしまったうさぎさんを受け入れる受け皿そのものが失われていきます

受け皿がなくなれば、

屋外に追いやられる、

不適切な飼育が続く、

やがて多頭崩壊に至る――

そうした最悪の結果につながってしまいます

だからこそ、この社会には、困ったときに受け止める「受け皿」と、受け入れた命を次の家族につなぐ仕組みが必要だと私たちは考えています。

その仕組みを機能させるためには、保護うさぎのお迎えが、ペットショップよりも選びやすい選択肢であることが欠かせません。うさぎにおける受入から譲渡へと命をつなぐサイクルは、その前提があってはじめて回り続けます。

この考えのもと、私たちは保護犬・保護猫の一般的な譲渡方針とは異なる形で活動を行っています。

その結果として、年間およそ500匹前後のうさぎさんを新しいご家族につなぐことができています。


現場で起きている現実

犬や猫の譲渡における保護団体の審査の条件は、法律で細かく定められているものではありません。多くの保護団体が、長年の経験の中で少しずつ積み重ねてきた、いわば現場で育ってきた運用のルールです。

主な保護犬・保護猫の譲渡時の条件

  • 単身者・高齢者はお断り
  • 自宅を不在とする時間は4時間以内
  • 収入証明の提出など経済的な環境の確認
  • 不妊去勢手術を施設側で実施し、里親さんには譲渡費用(3〜5万円前後)の負担
  • 飼育環境の確認のためトライアル開始時に自宅訪問
  • 1〜3ヶ月間のトライアル期間中は毎日LINE報告
  • トライアル終了時に再度自宅訪問
  • 譲渡後の定期的な近況報告や自宅訪問

この条件の根底にあるのは、人の里親制度と同じく、「保護した子を、できるだけ良い環境につなぎたい」という、まっすぐな想いです。
※動物の種類や団体によって条件には変動があります

一方で、その「最良」を追い求める保護のかたちは、どうしても時間と費用のかかる体制になってしまいます。

たとえば、

  • 審査や面談、家庭訪問、譲渡後のフォローに多くの人手と時間が必要
  • 受け入れ先が限られ、施設で長く暮らす子が増えていく
  • 終生飼育になるほど、施設側もより良い環境を維持するために、さらにコストが発生する

これらはすべて、動物を大切に思うからこその尊い取り組みですが、その維持には大きな負担が伴い、活動を続けられなくなるケースが後を絶たないのも事実です。

また、ペットショップでは無く保護動物をお迎えしたいと考えている方が、保護団体の譲渡条件をクリア出来ずに結局ペットショップからお迎えしてしまう。

「いま目の前にいる子」に最善を尽くすほど、次に助けを求めている子を受け入れる余裕が失われていく。

それが、保護の現場で起きている現実です。

犬や猫の場合は、保護団体の数も多く、ひとつの団体が受け入れを断っても、別の団体が対応できる可能性があります。また、最終的な受け皿として保健所という公的な仕組みも存在しています。

一方で、うさぎの場合は状況が大きく異なります。

保護団体は非常に少なく、保健所や行政が引き取ることも基本的にありません。

つまり、私たちが受け入れを断れば、その子の行き先はほとんど残されていないという現実があります。

だからこそ私たちは、できる限り受け入れを断らずに済む体制を保つことを最優先に、活動を続けています。

私たちは、年間およそ500匹前後のうさぎさんを新しいご家族につないでいます。

この譲渡数があるからこそ、

  • できるだけ受入要請を断らず、常に受け入れられる体制を保つこと
  • 学校うさぎさんの定期的な受入
  • 多頭崩壊など、緊急性の高いケースからの受入
  • 屋外や劣悪な環境から、安心して暮らせる屋内飼育へ移し、里親さんにつなげること

といった取り組みを継続することができています。

もし、犬や猫と同じ譲渡条件をそのまま当てはめてしまえば、譲渡数は大きく減り、それに伴って受け入れられる数も減ってしまいます。

施設で長く暮らすうさぎさんが増え、運営費や医療費がかさみ、活動を続けること自体が難しくなると私たちは考えています。

それは、飼育が難しくなったご家庭にいるうさぎさんや、学校うさぎさん、多頭崩壊のうさぎさんたちが行き場を失い、最終的には屋外遺棄や、十分なケアを受けられないまま命を落としてしまうという、決して起こしてはならない結果につながってしまいます。

私たちが担いたい社会的な役割

うさぎは、犬や猫に比べて日常生活の中で実際に触れ合う機会が少ない動物です。

そのため、十分なイメージや理解がないままお迎えされるケースも少なくありません。

その結果として、

  • アレルギーを発症する
  • 家族の理解や同意が得られない
  • 想像していた暮らしとのギャップに戸惑う

といった理由から、飼育の継続が難しくなるケースが、犬猫に比べて相対的に起こりやすいという現実があります。

この現実を無視したまま、「最初から完璧な知識や覚悟、理想的な環境」を強く求めれば求めるほど、譲渡は成立しにくくなり、結果として保護活動そのものが回らなくなってしまいます

そして、その先に待っているのは、飼育が難しくなったうさぎさんの行き場がなくなり、屋外への遺棄、劣悪な環境による病死といった、最も避けたい最悪の事態です。

私たちは、そうした状況に陥る前の「最後の受け皿」でありたいと考えています。

動物愛護を進めていくうえで、飼いきれなくなってしまったときの受け皿を用意することは欠かせません。

犬や猫の場合は、最終的な受け皿として保健所という公的な仕組みがありますが、犬猫以外の動物には、そうした公的な受け皿がほとんどありません

その空白を埋めるために、私たちは、民間による受け皿のモデルケースとなることを目指し、うさぎの保護活動に取り組んでいます。

私たちの活動を通じて社会の中で受け止め直し、次につなげる仕組みがあるということを形にしていく。

それが、私たちが目指している動物愛護のあり方です。

施設や学校での飼育についての考え方と取り組み

犬や猫に比べて、うさぎは日常生活の中で実際にふれあう機会が少ない動物です。

だからこそ、施設や学校でのうさぎの飼育を通じて、動物と暮らすことや、動物を大切にする気持ちを育むことには大きな意味があると私たちは考えています。

一方で、現場では、屋外飼育による温度管理の問題や、十分な飼育知識がないまま続けられている飼育、繁殖管理が行き届かない状況など、命に直結する課題が多く存在しているのも事実です。

私たちは、こうした問題を「やめるか・続けるか」という二択で捉えるのではなく、無理なく、より良い形に近づけていくための現実的な支援が必要だと考えています。

そのために、現在、次のような取り組みを行っています。

  • 短期間のショートステイとしての貸出対応
  • 夏休み・冬休みなど、長期休暇中の一時預かり対応
  • 飼育本の提供や、飼育環境の見直しに関するアドバイス
  • 飼育に関する相談の受付や、継続的なフォロー

これらを通じて、「飼えなくなったら終わり」ではなく、「困ったときに相談できる先がある」飼育環境づくりを支えています。

今後はさらに、無秩序な繁殖や不適切な飼育が繰り返されないよう、教育委員会など関係機関への提言や情報提供も行いながら、社会全体で少しずつでも、うさぎさんの飼育環境を改善し、飼育文化そのものを育てていく活動を進めていきたいと考えています。

施設や学校での飼育が、命を軽く扱うものではなく、命を学び、守り、次につなげていく経験となるように。

それもまた、私たちが目指す動物愛護の大切な一部です。


動物を守ることと、文化を守ること

ペットをお迎えすることは、人生の中でも大きな決断です。

だからこそ、飼育のハードルを高くすることは、一見すると動物のためになる良い行いのように感じられるかもしれません。

しかし、行き過ぎた理想は、動物との暮らしをごく一部の人だけの特別な文化にしてしまいます。ハードルが上がりすぎることで、社会全体の動物への興味や関心が薄れ、「動物と暮らす」という文化そのものが小さくなってしまう。私たちは、そこに強い危機感を持っています。

動物を大切に思う気持ちがあるからこそ、動物を「触れづらい」「難しい」「面倒な存在」にしてしまってはいけない。

動物と暮らすことが、特別な人だけのものではなく、身近で、あたたかく、社会に開かれた文化として続いていくこと。それが、結果として動物たちの未来を守ることにつながると、私たちは信じています。


うさぎさんの幸せな居場所を増やすことが私たちの活動の目的です

一匹でも多くのうさぎさんに新しい居場所を。

一人でも多くの方に新しい家族との出会いを。

そのチャンスを少しずつ広げていくことが、命をつなぐ道につながっていきます。

うさぎさんとの暮らしを楽しむ方が増えれば、社会的な関心も高まり、不適切な飼育を減らし、適正な飼育を広げていくことも可能になります。

それが、私たちが目指す「うさぎとひとの幸せを支える」活動の本質です。

だから私たちは、これからも活動を続けていきます。

一匹でも多くのうさぎさんの命をつなぐために。

そして、うさぎさんとひとの明日が、もっと幸せになるように。


2026年2月8日
一般社団法人うさぎとひとの幸せを支える会

一般社団法人うさぎとひとの幸せを支える会|保護うさぎさんとうさぎグッズのお店ふじみ野うさぎハウス
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